鳥インフルエンザが猛威を振るっています。
今シーズン、令和4年度は初めて鳥インフルエンザが確認されたのも10月と例年より早く、令和5年2月15日の時点では、25都道府県で約1,478万羽が殺処分の対象となりました(農林水産省の「令和4年度鳥インフルエンザに関する情報について」より)。過去最多だった2020年度(約987万羽)を既に上回っています。
鳥インフルエンザは冬の渡り鳥によってもたらされ、野鳥やネズミを媒介として養鶏場に入り込みます。知らないうちに服や靴に菌が付着して、人間が持ち込んでしまうこともあるそうです。感染が確認されると、同じ敷地で飼われている鶏がすべて殺処分の対象となってしまいます。現在の養鶏場は数十万羽単位で鶏を飼育している大規模なものが多いので、一度感染してしまうとこのように大量の殺処分が発生してしまうのです。
数十万、数百万という鶏の命が一度に奪われてしまう。なんだか悲しくなってしまいますね。わたしは家畜衛生のことについて無知なので、感染を防ぐためにはそんなこと言っていられないのだと思うのですが、鳥インフルエンザによる鶏の殺処分を耳にするたび、何か他の方法はないのだろうかと思わずにいられません(何より養鶏場の方が一番つらいはずですし)。
この影響で卵の価格も普段になく上昇しています。
「JA全農たまご」が公表した2月1日の1キロあたりのMサイズの卸値は、前年度の令和4年の2月より130円高い305円。単純計算で1.7倍以上ということになります。
このため、スーパーやコンビニでは、卵の加工品である煮卵やゆで卵の販売を取りやめるところもあるようです。
わたしは普段生協で卵を買っているのですが、1月の終わりあたりから欠品の理由で入手できないことが多くなりました。
鳥インフルエンザは世界的に猛威を振るっているため、日本ばかりではなく世界的に卵不足の状況に陥っているようです。また、鳥インフルエンザだけでなく、ウクライナ危機などで鶏のエサとなる穀物が高騰していることも価格上昇の追い打ちとなっています。
欧米では「エッグフレーション」(卵:egg + 物価高:inflation)などと呼ばれるような事態になっているそうです。アメリカでは特に値上がりが激しく、2022年12月の12個入り卵の価格は4.25ドル。円安ではありますが、日本円に換算すると550円以上の高値です。オーガニックの卵ともなると、1パック1,000円以上するのだとか。
人間のインフルエンザと同様、鳥インフルエンザは3月あたりまで影響があり、そこから十分な卵を得る程度に鶏の数が増えるには更に時間がかかります。栄養価の優等生、卵の価格が落ち着くにはまだまだ時間がかかりそうです。
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