とってもおいしそうなどら焼きをいただきました。
大きなどら焼きのあんの中に、大きな栗が入っていてお腹いっぱい、大満足でした♪
さっそく表示がどうなっているか見ていきましょう。
1. 品名(=名称)
品名:栗入どら焼き
「品名」という事項名になっていますが、名称のことです。
食品表示基準の別記様式1では、備考に「この様式中『名称』とあるのは、これに代えて、『品名』、『品目』、『種類別』、または『種類別名称』と表示することができる」とされています。
どら焼きを含む菓子類には、食品表示基準上、個別の規定がないので、名称は「その内容を表す一般的な名称を表示する」ことになります。消費者に分かりやすい名称を、事業者の判断で表示します。
2. 原材料名
原材料名
皮:小麦粉(国内製造)、卵、砂糖、水飴、蜂蜜、みりん、麦芽糖、寒天/重曹、ベーキングパウダー
あん:砂糖、小豆(北海道)、栗甘露煮(栗、砂糖/酸化防止剤(V. C)クチナシ色素)、砂糖結合水飴、寒天、麦芽糖
ここ、少しごちゃごちゃになっていますね・・・
添加物の表示は、原則、添加物の事項欄を設け、添加物に占める重量の割合の高いものから順に表示することとされています。添加物の事項欄を設けずに表示する場合は、原材料名の事項欄に原材料名と明確に区分して表示する必要があり、複合原材料(=加工食品を仕入れて原材料にしているもの)のカッコ内の最後に表示するのではなく、その食品に使用した他の添加物(複合原材料に使用されている以外の添加物)とまとめて最後に表示が必要です。(食品表示基準Q&A 加工-74)
ですので、「あん」の部分は、
「あん:砂糖、小豆(北海道)、栗甘露煮(栗、砂糖)、砂糖結合水飴、寒天、麦芽糖/酸化防止剤(V.C)クチナシ色素」
が食品表示基準に則った表示です。
また、この表示から読み取ると、栗甘露煮は他社から仕入れたものであると読み取れます(自社で栗甘露煮をつくったとしてもこの書き方ができるので断言はできませんが・・・)
3. 内容量
内容量 1個
どら焼きは、計量法の特定商品に該当しないので、個数等の内容数量で表示することができます。
4. 賞味期限
賞味期限 2023.4.25
一般的に、品質(状態)が急速に劣化する食品には、安全性を欠くことになるおそれがない期限である「消費期限」を、それ以外の(比較的品質が劣化しにくい)食品には、おいしく食べることができる期限である「賞味期限」と表示するべきであるとされています。
ここでは「賞味期限」と表示されていますので、この日付が過ぎてから食しても直ちにお腹を壊す、というものではないということです。
「食品ロス」が問題になっている昨今、賞味期限が過ぎたからすぐに捨ててしまうのではなく、この食べものは賞味期限を過ぎているけど食べても大丈夫かな?とご自身の五感(匂いや見た目、味など)をしっかりつかって判断していきたいものです。
5. 保存方法
保存方法 直射日光、高温多湿を避け冷暗所で保存
お早めにお召し上がり下さい
この「保存方法」のとおりに未開封のままきちんと保存した場合に品質(または安全性)が保証されるのが、賞味期限・消費期限です。
いくら賞味期限・消費期限内であっても、直射日光のあたる高温の車内などに長時間放ったらかしにしていてはだめですよ、ということです。
常温で保存すること以外に保存の方法に関し留意すべき事項がないものについては、「保存方法」の表示を省略することができます。
6. 製造者
製造者 神奈川県○○・・・
TEL ○○・・・
食品には、「表示責任者」(=食品表示に責任を持つ者)と「衛生責任者」(食品の衛生に責任を持つ者)の2つの事業者の表示が必要です。ただし、表示責任者と衛生責任者の両方を一者が兼ねる場合には、その一者を表示することで両方の規定を満たすものとみなされます。
このどら焼きにおいては製造者のみが記載されていますので、ここに記載されている製造者が表示責任者と衛生責任者を兼ねているということがわかります。
最後に・・・
栄養成分表示がありません。
一般消費者向け加工食品(=生鮮食品でないもの)には、栄養成分表示が義務付けられています。
栄養成分表示を省略できる場合が5つあります。
一 容器包装の表示可能面積がおおむね三十平方センチメートル以下であるもの
二 酒類
三 栄養の供給源としての寄与の程度が小さいもの
四 極めて短い期間で原材料(その配合割合を含む。)が変更されるもの
五 消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第九条第一項において消費税を納める義務が免除される事業者が販売するもの
このどら焼きに関して該当しそうなのは五でしょうか。
いかがでしたか。
食品表示から読み取れることがたくさんあることがお分かりいただけたでしょうか。
食品表示は、生産者の誠意を読み取ることができる意義もあります。
是非食品を召し上がるときにはじっくり食品表示を見てくださいね。
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